広島県9条の会ネットのアピール(2014.6.17)

 「集団的自衛権」という名の「命を奪う戦争への参加」を

めざす安倍政権にノーの声を!

                            2014年6月17日 

                        広島県9条の会ネットワ-ク

 これまで政府は、憲法第9条のもとでの自衛権の行使は、わが国に対する急迫不正の侵害(武力攻撃)があり、これを排除するために他の適当な手段がない場合に必要最小限度の範囲のものに限って許容されるものであって、わが国が直接武力攻撃を受けていない場合に問題になる「集団的自衛権」の行使は、その範囲を超えるものとして憲法上許されないとしてきました。

 ところが、安倍首相は、去る5月15日、自分の意に沿う者ばかりで構成した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」が提出した報告書をもとに、「集団的自衛権の行使は憲法第9条では禁じられていない」とし、自衛隊が海外で公然と武力行使できるように、従来の憲法解釈を変更する閣議決定を、今国会中に行おうとしています。
 また、安倍首相は、閣議決定による憲法解釈の変更に止まらず、秋の臨時国会で自衛隊法等の関連個別法の改悪をおこない、年内のガイドライン(日米防衛協力のための指針)再改定による日米軍事同盟の強化を推し進めようとしています。そのねらいは、世界のどこであれ地球の裏側であれ、アメリカと肩をならべて戦争に参加する日本にすることです。

 憲法は、わが国の最高法規であり、閣議を構成する安倍首相ら国務大臣は、憲法第99条により憲法尊重擁護義務が課せられています。にもかかわらず、内閣のみの判断で、国民の意思を問う手続を取ることもなく、憲法の基本原理を変更することは、憲法第99条に違反し、国民主権を無視するものであるとともに、権力に縛りをかけた立憲主義という憲法の存在理由を否定するものです。

 憲法前文は、平和のうちに生きる権利を定め、憲法第9条は一切の武力による威嚇・武力の行使を放棄し、戦力の不保持と交戦権の否認を規定して、軍事力によらない徹底した恒久平和主義を実現しようとするものです。
 いま世界は、核爆弾による世界的な破滅の危険性が潜む一方、世界各国が密接な経済的依存関係を築いています。そういう世界にあって、軍事力ではなく平和的方法による安全保障を追求することこそが現実的です。安倍首相が推し進める軍事最優先の対応をはかることは、憲法の規定する徹底した恒久平和主義に反するものであるとともに、今日の世界情勢にもそぐわないものです。

 武力によらない紛争の解決という先駆的な憲法第9条を活かすことが真の「国際貢献」であり、それと真っ向から対決する安倍政権にはもはや、わが国の舵取りを任せるわけにはいきません。
 いま、安倍首相がめざす「命を奪う戦争への参加ができる国づくり」に対して、国民の反対世論は急速に広がり、安倍政権に対してノーの声を突きつけています。私たち広島県9条の会ネットワークは、多くの幅広い草の根の力によって戦争する国への後もどりを押しとどめるため、全力をあげて奮闘する決意を表明します。

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(2012.3.11)